復職支援

● 問題は、再休職しないための仕組み

 現在、薬物療法の進歩と、うつ病に対して休養が重要であるという認識が、一般企業に浸透してきた今、休職した人の精神状態が改善し、体力の回復を待って復職することは可能になってきました。
 
 うつ病などのメンタル不全で休職した場合、一度目の復職が完全に成功するということが大変重要です。
 なぜなら、もう一度休職してしまうと、さらに病状が悪くなり、何度も休職と復職を繰り返すという場合が多くなってしまうからです。

 「一度目の復職で成功させるために」は、ただ体が元気になり、勤めることができるようになっただけでは不十分です。主治医の復職可能と判断するのは、患者さんの自己申告を元に行われます。患者さんがほかの人の迷惑を考えて自分の状態を事実よりも良く話してしまえば、再び休職に陥ってしまう可能性が高くなります。

 「ただ出勤できるようになる」だけでは不十分です。周りの人間関係や仕事上のストレスも受け止められるレベルになって初めて「就労のレベルまで回復した」と言えます。
 
 これらのことから、「リワークプログラム」への参加をおすすめします。
 一度の診察で「復職可能かどうか」の判断をするよりも、リワークプログラムに参加しながら、複数の専門スタッフにも判断してもらうと、「実際の就業可能レベル」まで回復できているかどうかの診断にブレが少なくなります。
 
● 体力が回復してくると危険

 体力が回復してくると、そろそろ復帰のことを考え始めます。けれどもこの体力が回復してきた時期が最も「自殺」をしてしまう危険が高まる時期でもあります。
 どん底の状態では、「死にたい」と思っても、心も体も疲れきっていて実行に移せない状態でした。ところが体が元気になってしまうと、「死にたい」と思ったときに実行可能になってしまうのです。
 そのため、本人も家族も回復の時期が一番気をつけなければなりません。
 本人も家族も「うつ病」などの自分の症状について、正確な知識を勉強しておきましょう。
 家族は、本人にも「死にたい気分になったら絶対周りに話すこと」を約束させ、周囲の人や友人知人に「様子がおかしかったらすぐに連絡をください」と話し、一人になる時間を極力作らない、危険物を目につくところに置かないなどの工夫が必要になってきます。

● 回復期

 本当に回復に向かってくると、生活のリズムが整ってきます。朝、決まった時間に起きられるようになり、短時間でも外で日光を楽しむことができるようになります。睡眠も決まった時間に眠気を感じるようになってきます。
 生活リズムがやや整ってきたなと思ったら、「リワークプログラムへの参加」を始めます。
 個人で電車に乗る練習をし、図書館で出勤時間を過ごしてみるなどの方法もありますが、「社会的ストレスに耐えられるようになったか」について判断するには、リワークプログラムへの参加が最も近道です。
 また、リワークプログラムでは、同じ悩みを持つ仲間で話し合い、同じ悩みを持つ仲間とグループ活動をすることによって、仲間と共に回復していくことができます。さらに、認知行動療法も学び、「自分を追い込んでしまう思考のクセ」を治すこともできます。
 
 専門家が「どの程度回復しているか」を判断しながら、段階的に作業内容や活動内容を上げていきますから、無理しすぎずに確実に回復させていくことができます。
 
 リワークプログラムに参加すると、家庭の中で自力で回復を図るよりも、「再び休職に陥らない確実な回復」をすることができます。専門家のサポートを受けられることがもちろん重要ですが、同じ悩みを持つ仲間と共に過ごすことこそが、勇気と力、回復していく喜びを与えてくれると思います。
 
● デイケア・ナイトケアの利用

 自殺の可能性が高い回復期に、家族の都合があって見てあげられないこともあるでしょう。休職者の家族も大変なストレスに見舞われることもあります。その時には、「デイケア」や「ナイトケア」、「ショートステイ」などを利用することもできます。
 各種保険、自立支援医療制度が利用できますので、お住まいの自治体にご相談してみてください。 
 家族に対する勉強会も用意されているところもあります。サポートする家族もメンタル面に関する知識と介助方法を知っておくことが大切です。

 どん底から這い上がったあなたの経験は、これから出会う患者さんを深く理解し助けるための尊い経験です。まずは、ご自身がしっかりと回復することが大切です。焦ると思いますが、ぜひじっくりと準備して「人生を再び楽しい」と感じられるようになるまで、回復に専念してください。

★リワークプログラム メディカルケア虎ノ門
 リワークプログラムで実際にどのようなことをするのか、各種利用状況などがよくわかります。とても参考になります。
⇒ http://www.medcare-tora.com/ramp/index.html

★うつ病リワーク研究会
⇒ http://www.utsu-rework.org/index.html 

★うつ病リワーク 全国のリワーク施設
⇒ http://www.utsu-rework.org/list/index.html#
リワークプログラムは、お住まいの各機関に直接お問い合わせください。

★メンタルヘルスとリワーク
⇒ http://www.nikkeibp.co.jp/mentalhealth/othe/reworknavi.html

★心の耳
 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/
 ご家族の方へ
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/family/

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